日本の橋梁の現状

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伸縮装置の分類

【出典:「伸縮装置の設計ガイドライン」2019年4月 日本道路ジョイント協会】

 

伸縮装置はその構造により、床版遊間部で輪荷重を支持できる荷重支持型と、輪荷重を支持しない突合せ型、特殊合材を用いて目地が露出しない埋設型の 3 種類に分類される。

また、伸縮装置を構成する主要部材の種別により鋼製とゴム製に分類される。

埋設型の場合は特殊合材により構成される。

 

伸縮装置の分類

 

 

 

荷重支持型伸縮装置

 

構造例

 

 

◆ 特徴

・床版遊間で輪荷重を支持できる構造を荷重支持型と呼ぶ。

・荷重支持形式には片持ち式、支持式(両持ち)とがある。

・ 構造は表面が台形型、フィンガー型、スライド型、ゴムジョイント類でみられる荷重支持板内蔵型、ゴム+鋼製型があり、荷重支持構造の上部または下部に止水構造が設けられている。

伸縮量が大きくなるほど、騒音や走行時に受けるショックが大きくなる傾向が突合せ構造にあったため、荷重支持構造が多く採用されるようになってきた。荷重支持構造では鋼製フィンガージョイント、鋼製スライドジョイントが多く採用されている。一方、製品化伸縮装置においては、ゴムと鋼材を組み合わせたセルタイプからスタートして、鋼板内蔵型のゴムジョイントや鋼製フィンガージョイントに近似した、表面鋼製(合金製)の簡易鋼製形式の採用が増えている。また、阪神淡路の震災以降は地震時の移動量を加味した設計が道路橋示方書において標準となり、それを許容できるタイプも多い。特に鋼板内蔵型のゴムジョイントは橋軸直角方向の大きな移動量に追従することが可能なため強みがある。
また、一般に製品化伸縮装置は、鋼製フィンガージョイント、鋼製スライドジョイントに比べ、経済性に優れるとされている。

 

 

◆ 分類:

・荷重支持型鋼製伸縮装置

・荷重支持型ゴム製伸縮装置

 

 

 

突き合わせ伸縮装置

 

構造例

◆ 特徴

・床版遊間で輪荷重を支持しない構造を突合せ形式と呼ぶ。

・構造は床版遊間部に目地材を介在させる簡易的なもの、床版遊間端部を鋼材等で補強したもの、ゴム材やエポキシ樹脂等の組み合わせによるもの、また、ゴムと鋼製部材等の組み合わせによるものがある。

 

 

埋設型伸縮装置

  舗装厚内型               床板箱抜型

構造例

◆ 特徴

・特殊合材を表面、又は舗装下に設置して、路面の連続性を確保する構造を埋設形式と呼ぶ。

・構造は主に特殊合材と遊間上に設置するジョイントフレーム、又は遊間プレートの組み合わせによるものがある。

しかしながら近年は弾性に富む特殊合材とジョイントフレーム、又はギャッププレートを用いた構造が主流となり、交通量の多い橋梁でも採用されるようになっている。また昨今の橋梁長寿命化の一環として、ノージョイント工法の位置づけに採用するケースも増えている。走行安全性の面からもAS舗装と同程度の滑り抵抗値を有する特殊合材を用い、拡幅橋等の縦目地やカーブ、交差点付近においても採用実績が増えている。

一般に伸縮桁長が比較的小中規模の橋梁に採用される場合が多い。

適応範囲は各メーカー・各製品で定められているので、条件に合った製品選定が必要である。

 

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